海泡石はセピオライト
海泡石(かいほうせき)という言葉を聞いたことがありますか?
ご存じの方は喫煙用パイプを連想する人もいらっしゃると思います。あの有名なトルコのメシャムパイプは日本では海泡石と呼ばれていますが、鉱物学上ではセピオライトになります。
下の写真はセピオライトの原石で、写真では分り難いですが、表面がとても汚れています。吸着能力が高いために、触っているうちに汚れが付着して黒っぽくなっています。仮に、この原石を半分に割ったとして、現れたセピオライトの断面は、とても新鮮で綺麗な状態です。パイプ細工に使用される原石は純度が高く、亀裂のないものが使用されます。
海泡石のパイプ(メシャムパイプ)
海泡石として最も有名なのが煙草パイプです。
海泡石がパイプとして利用されだしたのはブライヤー(木の根)パイプよりも古く、18世紀頃になります。
下の写真はビリヤード型のメシャムパイプです。ボウル内部は純白で、外側のみ蝋でワックス掛けがされています。
次はアップル型のメシャムパイプです。
ちなみに、ブライヤー(木の根)パイプが下の写真がです。木目や、色、パイプのデザインなど種類は様々です。
メシャムパイプにも、彫刻の施された精巧な仕上がりのものから、 シンプルなデザインまで様々です。彫刻されたものが必ずしも高価ではなく、石のグレードでも価格が決まるようです。亀裂の入っていない原石は稀少で、価値が高いようです。
海泡石がパイプに最適なのは、次の様な理由です。
ただし、ちょっとした衝撃でも、キズが付き易いので、取り扱いには注意が必要です。
ハンドメイドタイプ
自分で削って成型するタイプもあります。
アメリカのサイトで購入したのですが、たいへん興味深い一品です。ボウル穴と煙道がすでに貫通していて、このままでも使用することができます。良く観察すると、ボウル外側には細い亀裂が入っており、それに沿ってすでに変色しています。まだ蝋も塗っていない状態ですので、素手で触れると汗を吸着して、吸い付く感じがします。非常に軽く、力をこめなくてもヘラで簡単に削れます。
同時に購入したのが、海泡石の粉を固めたタイプです。
上写真の左側のパイプが原石のブロックをそのまま加工してあるのに対して、右側のものは削り出た海泡石の粉を再利用して、圧縮・型取り成型した再生品となります。変色はしていないのですが、何故か重い気が・・・
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